Greenhorn Network 2016年度第2回勉強会を開催しました!!

 今回の勉強会のテーマは、「東京オリンピックで大学は〝レガシー″を残せるか?~前文化庁長官・青柳正規氏と考える~」です。オリンピック・パラリンピックシリーズの第二弾でになります!

 リオオリンピックも終わり、いよいよ4年後に迫った東京オリンピック。オリンピックに向けて、さまざまな分野で準備が進められていますが、あまり話題にならないのが大学。こんなに貴重な機会なのに、大学は手をこまねいて見ているだけなのでしょうか…。
 
 今回はそんな問題意識から出発し、オリンピックで日本の大学はどのように関与し、存在感を打ち出していくことができるのかを考えました。東京オリンピックを通じて、大学はどのような“レガシー”を残すことができるのか―。4年後には大学運営の中核になる若手職員の今だからこそ考えておきたいテーマです。

 今回の会場は、明治大学駿河台キャンパス。多くの大学が集まる賑やかな学生街に位置し、オシャレに整備された綺麗なキャンパスです。勉強会に先立って、希望者によるキャンパスツアーも行われました。



●青柳先生ご講演

20161204_9372_00007.jpg 今回の勉強会は、講演とグループワークの2本立てです。講演の講師は前文化庁長官の青柳正規先生。ローマ・ギリシア美術史学がご専門で、東京大学教授、同大学文学部長、副学長を勤められたほか、今年世界遺産で話題になった国立西洋美術館の館長などを歴任。2013年には文化庁長官にご就任し、東京オリンピックの招致や準備にあたり、多大なにご活躍されてきました。

 そんな大学の現場はもとより、文化行政や世界の動きにも精通する青柳先生に、東京オリンピックを取り巻く環境、その中における日本の大学の役割についてお話していただきました。

 
 青柳先生は、まずオリンピックの理念を振り返りました。近代オリンピックは単にスポーツの祭典ではなく、地域や国境を越えた繋がり、交流を生む場として文化や経済、社会全体に関わる一大イベント。中でも文化にとっては、大きな影響を生む機会であると指摘。
 
 「文化オリンピアード」では「どこにいても誰もがオリンピックパラリンピックに参加することを可能にする」という理念を掲げており、東京オリンピックでも、それぞれの境遇・立場で各人が主役としてオリンピックを盛り上げていくことが求められている、と紹介しました。



20161204_6354_00003.jpg また現代における若い世代の重要性に着目。大学現場での学生気質の傾向などを紹介しながら、若い世代の意識・考え方の「地殻変動」を指摘した上で、それは憂慮すべきことではなく、今後の新しい文化にとって良いことだと語りました。

 日本の文化は歴史的な断絶も少なく、世界から見ても非常に稀な文化を持っていると指摘。全国津々浦々に、祭りや年中行事として非常に豊かな文化があり、近年改めて各地で地域文化が見直され、独自の祭りなどには全国から大勢の観光客が訪れるなど、新しい潮流が生まれている。今まで注目されてこなかった「地域」が見直される時代だと紹介しました。
 
 今回の東京オリンピックをきっかけに、「文化の総点検と再構築」が全国で行われるだろうと予測され、日本は今後GDPなど経済的な側面ばかりでなく、文化の面から「豊かな国」を目指していくべきではないかと提言しました。



20161204_9703_00008.jpg そんな中、大学には何ができるのか。大学には、オリンピアン・パラリンピアン選手の輩出、スポーツ科学の研究、スポーツ施設の提供、ボランティア参加など多くの役割が期待される。また、文化庁が立ち上げた「文化情報プラットフォーム」への参加してはどうかとご提案。
 
 地域各地大学がイベントの祭り・イベントなどを記録評価し、地域幹事大学がとりまとめのうえ文化庁情報プラットフォームへと情報提供する形など、新しい大学の役割についてご提言いただきました。



●白熱したグループワーク
 青柳先生のご講演の後は、グループワークです。今回は、東京オリンピックにおいて大学がいかなる“レガシー”を残すことができるのか議論し、各チームが青柳先生に「政策提言」するという形で進めました。
 
 東京オリンピックを通じて、大学はどのような“レガシー”を残せるのか―。“レガシー”といっても、モノ的なものもあれば精神的なものもあります。東京オリンピックをきっかけに、大学の新しい役割と意義を考える企画です。

 今回は4チームに分かれ議論。今回参加していただいた文化庁の方や、東京オリンピック組織委員会の皆さんにもグループに入ってもらい、議論していただきました。
 始めは「オリンピックと大学って関係あるの?」といったように、すぐに具体的な案は出てこないグループがほとんど。では大学しか持っていないものは?その上で、大学しかできないことは?…と、徐々に議論も盛り上がり、各グループでは発表用紙に次々と政策がまとめられていきました。



20161204_8427_00005.jpg いよいよ「政策提言」の時間。あるグループは、大学には全国から学生が集まることに着目。オリンピックをきっかけに大勢詰めかける外国人の観光に協力することで、自らの文化「再発見」をめざす取り組みを提案。
 
 またあるグループは、オリンピックを通じて大学の各施設を開放し、外国人旅行客の活動の拠点にしてもらうことを提案。大学を通じて地域イベントに参加してもらうなど、大学が海外と地域コミュニティをつなぐ役割が果たせると紹介しました。また、学生にとっても自大学で多くの外国人と交流するきっかけにもなると期待を込めていました。



20161204_5347_00002.jpg 最後に、青柳先生が各グループの政策を講評し、長所と短所を指摘。「各グループの案をさまざまな形で組み合わせると、もっと良いものが生まれるはず。今後もまだまだ練り続け、考えていってほしい」と、貴重なアドバイスとともに、参加者を熱く激励してくださいました。









20161204_8475_00006.jpg 勉強会の後は、会場を移動しての懇親会。何と青柳先生にもご参加いただきました!青柳先生からは「大学間での交流は本当に大事になってくる」と、力強い励ましもいただき、これからの決意を胸に、参加者は交流を深めました。